この記事では都内で初産かつ無痛分娩を希望する方の病院選びの参考としていただけるよう執筆しました。
初産の無痛分娩は都内でも対応している病院が少なく、予約枠の争奪戦になることも多いです。妊娠判明からできるだけ早く産院を決定することをおすすめします。
何を検討し、いつまでに準備すればよいか、実際に慶應義塾大学病院で計画無痛分娩を予定している妊婦が体験した産院決定までの準備と手順を紹介します。
無痛分娩病院選びのスケジュールについて
無痛分娩の分娩予約は分娩を希望する時期と産院によっては妊娠8週目で予約締切となる場合があるそうです。
都内でも有名な産院御三家の聖路加国際病院は特にはやく分娩予約がいっぱいになってしまうそうで、初診の産院の助産師さんからは、
「聖路加での出産を希望する場合は8週目までに決断して、決めたらすぐに連絡をください」
と言われておりました。
※産院御三家とは皇族や芸能人の方も利用される都内の有名産院で、充実のサービスが受けられる一方出産にかかる費用もお高めです。
- 港区南麻布の「愛育病院」
- 港区赤坂の「山王病院」
- 中央区築地の「聖路加国際病院」
私が最終的に分娩を予約した慶應義塾大学病院も無痛分娩希望の場合はかなり早めに予約締切となる病院で、公式からも妊娠10週までに初診を受けることが推奨されているため、慶應での無痛分娩を検討されている方はご留意ください。
現在通っている病院とは別の施設での分娩を希望する場合は、紹介状を準備してもらう必要もあるため、妊娠が判明したらすぐに検討を始める必要があります。
ちなみに私のスケジュールは下記のような形でした。
妊娠週数 | 出来事 | 行動 |
4週目 | 検査薬陽性 | 病院にかかるも胎嚢確認できず |
6週目 | 胎嚢、心拍確認 | 母子手帳受領、無痛分娩可能な産院を探し始める |
7週目 | 分娩先の診察予約 | 無痛分娩先を決める |
7週4日目 | 転院前の病院で予定日確定 | 紹介状をもらう |
7週6日目 | 分娩先で無痛分娩予約完了 | 分娩先で診察を受ける |
今考えてもかなりタイトなスケジュールですね……私の場合はつわりで毎日吐きながら検討を進めたので、この時期はかなり無理をしていました。妊娠前から無痛分娩を希望していたので、事前に検討しておけばよかったと後悔しています。
ちなみに7週6日目の時点で慶應義塾大学病院での無痛分娩予約順番は9番目でした。7週6日目でも十分早いと考えていましたが、私の前に8人もの方がいたことに驚きました。私が実際に確認したわけではないため、真偽は定かではありませんが、枠数は12枠との口コミもありましたので、結構ギリギリだったかもしれません。
無痛分娩病院予約の手順について
妊娠判定を受けた病院と、分娩先が異なる想定で予約の手順を記載します。
- 分娩を希望する産院を決める
- 出産予定日が決まったらすぐに分娩を希望する産院の初診を予約する
- 初診予約時は紹介状が必要
- 現在かかっている病院に紹介状の発行をお願いする
- 分娩を希望する産院で初診時(もしくは予約時)に無痛分娩を希望する旨を伝え、分娩の予約を取る
あくまで上記は私のケースをもとにした手順のため、分娩先や妊娠判定を受けた病院によってはこの通りに進められない可能性もあります。通院先にてご相談の上ご対応をお願いします。
無痛分娩病院希望先の決め方
一番悩まされる人が多いであろう、分娩希望先の決め方について解説します。というのも、初産妊婦の無痛分娩は対応可能な産院が絞られるうえ、出産費用と無痛分娩の方式も産院によって大きく異なります。
調べ始める前はてっきりどこの産院も、手出しで15万円程度を支払えば無痛分娩対応可能と思い込んでいたのですが、実際はもっと手出しが必要な金額は多く、かかる費用を調べるうちにどんどん元気がなくなってしまいました……
無痛分娩が15万円の病院でも、そもそもの出産費用が100万円(手出し50万円)かかる場合などもあります。
家から通える範囲で無痛分娩が可能な病院はどこか
無痛分娩を希望する場合、まず一番最初にリストアップすべきなのは、家から通える範囲で無痛分娩が可能な病院がどこかについてです。
というのも、いくら理想的な産院を見つけても緊急時に通院できない距離であれば選ぶべきではないためです。
私は公益社団法人 日本産婦人科医会事務局が運営するJALAのサイトでリストアップを行いました。
JALAは厚生労働省の支援のもと、下記の6団体で構成されており、無痛分娩に関する信頼度の高い情報を得られます。
- 公益社団法人 日本医師会
- 公益社団法人 日本看護協会
- 公益社団法人 日本産科婦人科学会
- 公益社団法人 日本産婦人科医会
- 公益社団法人 日本麻酔科学会
- 日本産科麻酔学会
無痛分娩を実施している産院を調べる以外にも、無痛分娩を希望する上で知っておくべき情報が多く掲載されていますので、確認をおすすめします。
無痛分娩を実施している施設であっても、経産婦のみを対象としており、初産婦の無痛分娩を取り扱っていない施設もあります。初産の方は初産の無痛分娩に対応している施設かについても併せて調べるようにしてください。
病院を決定する上で重要な基準を考える
家から通える無痛分娩が可能な産院のリストアップができたら、詳しい情報を調べ始める前に、自分にとって大事な基準はなにか、どこがクリアになれば意思決定できるのかを検討します。
自分にとって大事な基準は人によって異なるかと思いますが、いくつか例を挙げてみると下記かと思います。
一口に無痛分娩が可能な病院といっても、その特徴は産院によって大きく異なります。
夜間や土日祝の無痛分娩を実施していなかったり、個室でエステがついている分、分娩費用が高い病院もあります。
決断までにかけられる時間は長くありませんが、焦って決めて後悔することのないようにしっかり調べて決断されることをおすすめします。
ちなみに私は心配性で計画的に物事を進めたいタイプのため、NICUが併設されており、この日に生むぞ!と覚悟ができる計画無痛分娩が可能な慶應義塾大学病院を選びました。
慶應義塾大学病院は予定外で分娩が必要な状況になってしまった場合などに必ず無痛分娩ができる病院ではありませんが、他に候補に挙がった病院と比較して費用が安く済むこともあり、決断できました。
ちなみに計画無痛分娩と自然無痛分娩の違いについては下記です。
自分にとって大事な基準を決めた後は、それぞれの産院のウェブサイトや、実際に分娩を経験された方の口コミから情報を集めて下記のような形で比較検討することをおすすめします。
判断基準 | A病院 | B病院 |
---|---|---|
①NICUがあるか | あり | なし、緊急時は別病院に搬送 |
②必ず無痛にしたいか、できれば無痛にしたいか | 計画無痛のみ対応 計画外の無痛は対応不可 | 自然無痛、計画無痛ともに対応 土日祝、夜間も対応 |
③分娩費用について | 80万円 | 100万円 |
④個室か大部屋か | 選択可能、個室の場合追加料金 | 個室のみ |
⑤セミオープンか転院か | セミオープンなし | セミオープンあり |
※セミオープンシステムとは地域の診療所やクリニックと病院が連携をとり、妊娠初期~の妊婦健診は近場の診療所やクリニックで行い、出産予定日が近づく妊娠後期の妊婦健診や分娩管理、また夜間休日の救急対応は、連携する分娩予定先の病院で行うシステムです。
リスト化してまとめておくと、自分が見返しやすいですし、配偶者にも説明しやすいです。
痛い思いをするのは産む側なので、説明せずとも受け入れてほしい気持ちはありますが、リスクもある施術のため、夫婦納得の上で決断できると後悔にもつながりづらいかと思います。
いかがでしたでしょうか?みなさんが後悔なく分娩先を決める参考になれば幸いです。
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